
【2026年】福利厚生でおすすめの食事補助!導入メリットや非課税条件を解説!
現在、少子高齢化に伴う深刻な労働力不足を背景に、多くの企業が賃上げや労働環境の改善を図っています。しかし、物価高騰の波は想像以上のスピードで従業員の生活を圧迫しています。
こうした状況の中、今、総務人事担当者や経営者の間で注目を集めている福利厚生が「食事補助」です。食事支援は「最も従業員に公平に行き届きやすく、メリットを実感しやすい」という特徴を持っています。
本記事では、食事補助が選ばれている理由、福利厚生で食事補助を導入するメリット、非課税として扱う条件などについて解説します。
福利厚生としての食事補助とは?
福利厚生における食事補助とは、企業が従業員の日々の食費の一部を補助・負担する制度のことで、「職種や年齢、ライフスタイルを問わず、従業員が等しく恩恵を受けられる制度」として高い人気があります。
具体的な方法としては、かつて主流だった「社員食堂の設置」のほか、オフィスにお弁当や惣菜を常備する「設置型サービス」など時代の変化に応じて多様なカタチが登場しています。
なぜ今、食事補助が注目されているのか?
住宅手当や育児・介護支援、宿泊施設の割引など様々な福利厚生がある中で、食事補助が注目されている理由について2点解説します。
物価高への直接的な生活支援
1つ目の理由は、物価高騰対策です。
ここ数年、大手飲食チェーンのメニュー改定やオフィス街のお弁当・定食の値上げニュースを目にしない日はありません。かつて「ワンコイン(500円)」で食べられたランチも、今や都市部を中心に「ランチ1回で1,000円〜1,500円」がかかることも珍しくなくなりました。
毎日1,000円のランチを月に20日続ければ、それだけで2万円の支出です。手取り給与が変わらない、あるいは微増に留まる従業員にとって、「ランチ代の負担感」は確実に重荷となっています。

株式会社リクルートの調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が首都圏・関西圏・東海圏の平日のランチの実態について2026年に実施したアンケート結果によると、ランチ予算の全体平均は496円で過去最高額を更新しました。
形態別で最も高かったのは、「出前、デリバリーしたもの」で平均 1,472 円(前年1,418円)、次いで「外食店内での食事」が平均 1,338 円(前年1,250円)と、年々増額していることが分かります。

株式会社エデンレッドジャパンが2025年に実施したランチ実態調査では、物価上昇などの影響により、4人に1人(24.3%)が「勤務日にランチを食べないことがある」と回答しました。
さらに、そのうちの半数以上(52.7%)が週2~3回以上の頻度で欠食しており、ランチを抜くことが習慣化しつつある実態が明らかになりました。
上記のような実態から、「毎日コンビニのパン1個で済ませる」「お弁当を作る余裕がない日は朝食を抜く」といった健康面を損ないかねない行動を選ぶ従業員も増えています。
このような背景を踏まえた上で、企業が食事補助を導入することは、従業員の「可処分所得を実質的に増やす」ことと同義です。
要件を満たした食事補助であれば非課税で支給できるため、従業員の生活を支援し、可処分所得を最大化する手段として食事補助を福利厚生として導入する企業が増えています。
非課税枠が月7,500円へ倍増(令和8年4月1日改正)
2つ目の理由が、令和8年(2026年)4月1日に法改正・施行された「食事補助の非課税枠引き上げ」です。
これまで、企業が従業員に支給する食事補助が「非課税(福利厚生費)」として認められる上限額は、昭和59年(1984年)の規定以来、40年以上もの間「月額3,500円(消費税別)」に据え置かれていました。
しかし、近年の急激なインフレと物価高騰という実態に即し、この上限を「月額7,500円(消費税別)」へと引き上げる改正を行いました。
この法改正により、より手厚く実用性の高い食事支援を従業員に提供する企業も増加しています。
福利厚生で食事補助を導入するメリット

食事補助を導入することは、従業員側だけでなく、企業側にとっても多くのメリットをもたらします。ここでは、企業側の視点から得られる具体的なメリットについて3点解説します。
従業員の定着率向上(離職防止)
日々の生活に直結する福利厚生は、従業員が「会社から大切にされている」という実感を得やすい施策です。
食事補助を福利厚生として導入すると、「この会社は物価高という社会情勢に対して、自分たちの生活を見て対策を打ってくれている」という安心感につながり、会社に対する愛着(エンゲージメント)が高まり、定着率向上にもつながります。
採用力の強化
現在の採用市場において、求職者は給料だけでなく、「実質的な待遇」や「働きやすさ・従業員への還元姿勢」などを重視する傾向が高くなっています。
住宅手当などは対象者が限られる(実家暮らしは対象外、既婚者は対象外など)ケースがありますが、食事補助は「格差が生じにくい」福利厚生です。
そのため、求職者にとって入社後の生活イメージが湧きやすく、採用時に働きやすさを訴求できるアピールポイントになります。
節税効果
食事補助は、特定の要件を満たすことで「福利厚生費(非課税)」として処理することができます。
なお、非課税で運用するためには一定の要件があるため、以下を必ず確認するようにしましょう。
福利厚生の食事補助を非課税にする条件

福利厚生の食事補助を非課税とするには、法律で定められた一定の条件を満たす必要があります。
令和8年(2026年)4月1日の法改正による上限引き上げを踏まえ、「従業員の所得税を非課税にする条件」と「会社側が福利厚生費として損金算入できる条件」の2つの視点から解説します。
所得税を非課税にする条件
従業員に「給与(所得)」として課税せず、非課税で食事補助を提供するには、以下の2つの条件を同時に満たす必要があります。
令和8年4月1日以降の最新ルールは以下の通りです。
【食事補助の非課税要件(令和8年4月1日改正)】
- 企業が支給する食事補助の金額が、従業員1人につき「月額7,500円(消費税別)以下」であること。
- 従業員本人が、食事の価額の半分(50%)以上を負担していること<参考>
具体例を挙げると、1食1,100円(消費税込)のランチに対して会社が500円、従業員が600円を負担して月15回利用した場合、従業員が半分以上を負担しており、1ヶ月の会社負担額の合計も7,500円(消費税別)に収まっているため、非課税となります。
なお、残業や日直などの際に支給する食事に関しては、会社が全額負担で無料提供しても非課税となります。
また、深夜勤務で現物支給が困難な場合の現金支給は、1食650円(消費税抜)以下であれば非課税として扱うことができます。
福利厚生費として損金算入できる条件
① 現物給付であること
福利厚生費として損金算入できるのは、「食事の現物、またはそれに準ずる仕組み」である場合のみです。会社が弁当を現物で手配して配る、あるいはチケットや専用の決済システムを介して店舗で食事と交換する形がこれに該当します。
「実務の手間を省きたいから」と、毎月の給与口座に「食事手当」などの名目で一律に現金を振り込む形式は、金額に関わらず原則として課税対象となります。
② すべての従業員が対象であること
福利厚生費として認められるためには、役員や一部の従業員だけが優遇される仕組みであってはいけません。パートやアルバイトを含め、「すべての従業員が等しく利用できる権利があること」が損金算入の条件となります。
③ 社会通念上の常識の範囲内の金額であること
対象となるのは、あくまで勤務時間中の「通常の昼食(交代制の場合は夜食)」などです。例えば、「1食で数十万円もする高級料亭での役員ランチ」を食事補助として処理することは、いくら枠内であっても「社会通念上の常識の範囲」を超えているとみなされ、福利厚生費として認められません。常識的な範囲内の金額であることが前提になります。
食事補助の主な手法:メリット・デメリット比較
では、実際どのような種類の食事補助があるのでしょうか?
福利厚生としての食事補助の手法にはいくつか種類があり、代表的な4つの手法についてそれぞれの特徴とメリット・デメリットを比較します。

①社員食堂の設置
自社ビルや社内に調理・提供スペースを設け、従業員に直接食事を提供する手法です。
メリット:
栄養バランスの良い食事の提供: 専属の管理栄養士や専用レシピなどにより、健康に配慮した食事を提供できます。
社内コミュニケーションの促進: 部署の垣根を越えて従業員が集まる場となり、社内コミュニケーションの活性化に有効です。
デメリット:
莫大な初期投資と維持費: 厨房設備の導入やスペースの確保、人件費など運営にコストがかかります。
利用できる従業員が限定される: リモートワーク中心の従業員や、食堂を設けていない小さな地方拠点・現場で働く従業員は利用できないため、公平性の課題が生じる場合があります。
②設置型サービス
社内に専用の冷蔵庫や棚などを設置し、総菜や弁当を常備する手法で、「置き型社食」とも呼ばれます。
メリット:
省スペースで手軽に導入: 大がかりな設備投資が不要で、冷蔵庫などの設置スペースさえあればすぐに始められます。
24時間いつでも食べられる: 夜勤やシフト制の職場、遅い時間帯の勤務でも時間を気にせずに利用可能です。
デメリット:
管理や補充の手間: 商品の賞味期限管理や、在庫が減った際の補充・注文の手間が発生する場合があります。
出社する従業員しか恩恵を受けられない: 基本的に社内に置くサービスのため、在宅勤務の従業員はメリットを享受できません。
③宅配型サービス
従業員が事前に食事を注文し、決まった時間帯に会社へお弁当などを配送してもらう手法です。
メリット:
外出の必要がない: 昼食時に外へ買いに出る必要がなく、天候が悪い日でもオフィス内で完結します。
専用スペースの設置が不要: 食堂や冷蔵庫などの専用スペースを確保する必要がありません。
デメリット:
注文の手間がかかる: 事前にメニューを選んで予約注文をする手間が発生します。
メニューやエリアの限定: 配送対応エリアに制限があったり、選択できるメニューの数が限られている場合があります。
④福利厚生アウトソーシング・カフェテリアプラン
福利厚生アウトソーシング会社が提供するサービスを導入し、全国の提携店舗などで使えるチケットやクーポンを支給する手法です。
メリット:
メニューが豊富: 全国のコンビニや飲食店が対象となるサービスもあるため、地方拠点の従業員や在宅勤務の従業員も平等に利用できます。
業務効率化できる: 運用や店舗開拓は外部に委託するため、社内での管理や手間の負担がほぼかかりません。
デメリット:
月額会費などの固定費が発生: サービスを利用するためのシステム利用料や月額会費が発生します。
自社独自の運用がしにくい: 既存の外部パッケージを利用するため、自社に合わせたオリジナルメニューの提供や独自の運用ルールを作ることは困難なケースもあります。
自社に合った食事補助を福利厚生で取り入れよう!
本記事では、食事補助が注目されている理由から、福利厚生で食事補助を導入するメリット、非課税として扱う条件などについて解説しました。
食事補助は、下記のような効果が期待できる福利厚生施策です。
- 従業員の毎日の生活を物価高から守る「生活防衛」
- 健康的な食生活を支える「健康経営」
- オフィスでの笑顔と会話を増やす「コミュニケーション活性化」
- 優秀な人材を惹きつけ、離さない「採用・定着の武器」
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